ORIGIN




jammy 1

消防服の再利用を目指したコレクションは2012年にMODECO発祥の地名古屋市の消防局からのオファーを頂いてからスタートしました。

「超高機能の防火服に新しい可能性を見出して欲しい・・」 そんな思いからスタートし、都市が生み出す産業廃棄物 消防服の廃棄低減を目指したコレクションです。

現在名古屋市の他にも川崎市、豊田市など新たな自治体がこのプログラムに参加し始めた事で、よりユニークな発展が期待されます。

消防服のユニーク性は消防士1人1人が街を守り抜いてきた軌跡が1着1着に違いがあり、同じデザインは1つとして作れないところ。すなわち全て1点モノとなり、また年度に応じて廃棄量も異なる為生産量も限りがある非常に限定性が高いコレクションとなります。

また消防服そのもののデザインは都市毎に自由。都市毎にデザインが異なり、より多くの都市が参加すればする程デザインが更に多様的に拡がっていきます。

世界で初めて官民一体となって進めた環境配慮を目指したデザインプログラムはMODECOならではの画期的なコレクションに成長しつつあります。



blog1


都市によって廃棄量は異なりますが、年度によって「燃えない」為に焼却が出来ない消防服の多くは破砕して地中へ埋め立て処分しています。消防服の素材はアラミド繊維と呼ばれる軽量且つ丈夫な機能を持ちますが化学繊維の為、自然に還る事なく残留します。残留は体内に異物が混入する事に等しい為、これらを防止すべく、再利用を行っております。

現在展開をしている廃材の削減を目指したアップサイクル製品は、過剰生産を禁じています。廃材の削減を目指す一方で、「廃材から生まれた製品による廃材」の発生を防ぐべく、廃材の削減量に目標を定め、その数値に準拠しながら製造を行っています。年間廃棄量に上限がある消防服などは、年間削減量を満たす生産を行った場合、その年における生産・販売は終了となります。その為、対象のデザインが売り切れたとしても追加生産が掛かる事は御座いません。

1つ1つの廃材毎の問題解決と啓発に向けて、日夜デザインと製造に勤しんでおりますが、私達の手によって製品を完成させた時点では解決とは呼べません。私達の役目はゴミとなってしまう運命にある無価値の存在に確実な存在意義を与えるところまでであり、実際に皆様が手にした瞬間、初めて「モノ」としての意味が生まれるのです。そしてそれは同時に廃棄による環境負荷を食い止める一助にも繋がります。