Journey Vol. 2:

TAKE YOUR TIME

煮え滾るような暑さを迎えた5月のフィリピン。ある日、マニラ西に位置し、世界最古のチャイナタウンがあるBINONDO周辺を訪ねてみた。

陽が燦々と射し始め、排気ガスの臭いのするじめっとした灼熱の午後は、べとべとした熱風が肌にまとわりつき、全身からとめどなく汗があふれてくる。この地域は、慢性的な渋滞、喧噪な雰囲気、衛生面の都合から、外国人や地元の富裕層たちも余り足を運ばないエリアだ。ただ、同時に刺激的で、人間臭く、マニラの深い歴史が垣間見られる数少ない所でもある。
行き交うトライシクルと車、路上で遊ぶ子供達、東南アジアの典型的なカオスを凝縮した街並。不思議な事にその空間は、誰に邪魔にされる事も、何かに急ぐ事も無く、穏やかなに、そしてゆっくりと流れている。

急激な近代化が進む都会に住んでいる中では感じられない、失いたくない下町の”安らぎ”がそこにはある。

Take your time. Feel the street.

マニラの慢性的な渋滞をすり抜けてチャイナタウンに向かう。

壁を隔てて見える高層コンドミニアム。

チャイナタウンのランドマークでもあり、1596年に建設された歴史あるBINONDO教会の前。

路面店で一息しながらクールダウン。

5月9日に行われたフィリピン大統領選挙のポスターが街中にあふれる。

どんな場所も子供達にとっては楽しいプレイグランドだ。

くもの巣のごとく張りめぐらされた電線。

行き交う人々。座り込む人々。

トライシクルと呼ばれる庶民の足。肌にまとわりつくべとべとした熱風も何故か心地いい。

喧噪な街を静かにすり抜けて行く。

街の看板。

排気ガスがただよう大通り。夕方になるにつれて渋滞が激しくなっていく。

路面店のガキ屋さん。無愛想だが腕は立つ職人が多いエリアだ。

日陰に入って少し一息。

ゆっくりと夕方にさしかかる街。

Photographed by Taro Hori