バンコク在住のアートディレクターApichetBuanong は人々の流れと街の壁が出会う「瞬間」をファインダー越しに追い求めるストリートフォトグラファーでもある。地元や旅先で見る「人々が通り過ぎる」姿をミニマルな世界観で切り取り、鮮やかな色彩とコントラストで描く彼の視点には静けさの中に冒険心をくすぐる遊び心が垣間みられる。また、各被写体の感情やストーリーがその一貫性あるスタイルで切り取られ、見る者の感性を刺激する強い洞察力に溢れている。
何気ない日常や流れて行く景色には幾つものストーリーがある。分かっていても、形に見えづらいそんな価値観を呼び覚ましてくれるApichetのアプローチはシンプルに素敵だ。