Journey Vol. 3:

SIEM REAP

人生で一度は必ず訪れておきたかった場所の一つ、アンコール遺跡群で有名なシェムリアップに辿り着いた。石畳の道を歩き、薄暗くひんやりとした静かな寺院内を通り抜け、手つかずのままで残っている多くのクメール建築の遺跡の姿に深く息を呑む。まるで何百年前にもタイムスリップしたかのような神秘的な気分だ。

早朝、 アンコールワット内の角にある、誰もいない石畳の階段に腰を掛け、大きく深呼吸をしてみた。心地良く涼しい風が吹き、新鮮な草木の香りがする味を噛み締めていた時、この国の歩んできた複雑な歴史が脳裏を交差した。深く美しい遺跡と、辛く悲しい歴史の対比の中で、安らぎと不安が入れ混じった。
この国の激動の歴史を一言で表現するのは難しい。ただ確かな事は、アンコールワットはそんな時代の流れをずっと見続けてきたという事だろう。所々にある壁の傷や割れ目がそんな苦労を物語っているようにも見える。きっと多くの人々が、アンコールワットに色々な思いをそっと伝え、去り、それをこの場所はずっと包み込んできたんだろう。

ふと思った、「損得勘定じゃなく、想いの部分だけで動きたい。」と。「多くの人達の心が表現されている場所になりたい」と 。なにも僕が描く製品じゃなくても良い、ただただ人の純粋な心を形にして、それに触れられる存在になれればと。

代表 Hiroyuki Mizuno

 

アンコールワットが反射する池を前に。

石が積み重なりできた遺跡。その圧倒的な存在感に息をのむ。

クメール建築のアンコール遺跡群。

深い森の中に埋もれ、遺跡発見当時のままで残された姿を楽しめるのも醍醐味の一つだ。

砂利道と砂埃の中を走り抜けて行くドライブも、旅の醍醐味の一つだ。

首都プノンペンへ行く道の途中。地元の少年達が笑顔で雑談をしながら自転車で過ぎて行く。

舗装されていない赤土の道を牛車がゆっくりと進む。

シェムリアップのドライマーケット。笑顔でポーズをとる少年が印象的だ。

東南アジア最大のトンレサップ湖の夕日には、時を止めるような力がある。

アンコールワットから見える夕日。この国の激動の歴史を見続けてきた深みを感じる。